ヘンリー・ウェイド「三つの鍵」
アントニイ・マースデン「遺伝」
H・C・ベイリー「青年医師」
F・A・クマー「豚の足」
途中から主人公の狙いがわかってしまったけれど、彼のスマートさが好みのタイプだったので楽しめた。しかし、なぜにタイトルが「豚の足」…???
アール・デア・ビガーズ「一ドル銀貨を追え」
ヨットという密室で起きたちょっとした事件。恋人の父親 (ヨットのオーナー) のために探偵役を買ってでた若手新聞記者の活躍を終始コミカルなタッチで描いた短編。空回りしながらも頑張る姿が好印象だが犯人の動機が曖昧でスッキリしなかった。
H・S・ハリスン「ミス・ヒンチ」
完全に騙された。面白かった。でもこれはアレだ、一回きりしか楽しめないやつ。
ハルバート・フットナー「封印された家」
全然楽しめなかった。モヤモヤが残っただけ。
ハーバート・ショー「強い兄ジョン」
13ページ弱のショートショート。オチまでの流れはよく組み立てられていると思うが、人物描写があっさりしているせいか、物語が表面的で薄っぺらいものに感じられてしまうのが残念。死してなお絶大な力を持つ兄とそれに屈する弟という設定はよかった。
J・S・フレッチャー「障壁の向こうから」
冒頭から怪奇小説の様相。薄気味悪い雰囲気と正統派な探偵手順で読ませる。そこまでは完璧な展開だったのに最後に明かされる犯人の動機があまりにも単純。思わず口があんぐりと開いてしまった。
ギルバート・フランカウ「カステルヴェトゥリを殺したのは誰か」
わたし、血の巡りがよくないのかしら。最後よく意味がわからなかった。
R・オースチン・フリーマン「白い足跡の謎」
わたしの大好きな科学者探偵ソーンダイク博士もの。今回の出番は少なめだったものの、いつもながらの筋の通った非常に美しい推理で事件をまとめてくれた。相棒ジャーヴィスもよくがんばったけれどソーンダイク博士に比べるとまだまだ赤ちゃんかな。
J・D・ベリスフォード「偽痣」
刑事が今でも忘れられない昔の事件の内容を友人に話す形で展開。思い出話なので臨場感に欠けるのが難。フランス人を好き者と括る点に違和感あり。特にアッと驚くカラクリやオチがあるわけでもなく、どこが編者チェスタトンのお眼鏡に叶ったのかピンとこなかった。
ネリー・トム=ギャロン & コールダー・ウィルスン「中の十二」
探偵チボー (小言のひとつにも決してユーモアを忘れない洒落た上司) と書記ブランコ (チボーの完璧なる信奉者で非常に忠実なわんこ) の会話が愉快。悪党をとっちめる方法はルパン (日本のアニメの方) のように痛快。
ヘンリー・ウッド夫人「エイブル・クルー」
片田舎で双子の赤ちゃんが砒素中毒死を遂げた理由を探る。巡査や検屍官らの頭の回転がのろくさくてイライラさせられているうちに意外な人物が突如現れて唐突に終了。どこにも面白みなし。これをもってチェスタトン編「探偵小説の世紀 (下)」読破。