2020年の読書活動を振り返って
体内カレンダーがすっかりおかしい Aira が 2020 年の読書活動を振り返ります。
2020年。まさか21世紀にもなって、目に見えないほど小さなウイルスによって人間の暮らしがここまで脅かされるような事態が起きようなどと、誰が予想したことでしょう。通勤、買い物、外食、映画鑑賞… 今までの当たり前が当たり前ではなくなってしまった一年でした。
もともと超インドア人間であったことが不幸中の幸いでした。アウトドア大好きな方が感じていらっしゃるであろう窮屈さとは無縁の生活を送れることがとてもありがたいです。
テレワーク元年となった 2020 年、平日の生活パターンがガラッと変わり、体調の変化も大きかったため、8月以降はまったくといっていいほど短編小説を読めませんでしたが、以下の通り、毎年恒例の記録としてまとめておきます。
読んだ短編の数 (超短編を含む)
126 作品
最初に読んだ短編
ワーナー・ロウ 「スコッツデールからの手紙」
最後に読んだ短編
オースチン・フリーマン 「モアブ語の暗号」
新たに好きになった二人組
ビル・プロンジーニ 「名無しの探偵 × エイバーハート警部補」
ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク 「フレイプストラ警部 × デ・ヒーア部長刑事」
ベスト短編 8 (読んだ順)
1. ビル・プロンジーニ 「決断」 気付かないふりをする男の静かだが熱い優しさ
2. ビル・プロンジーニ 「ろくでなしの死」 無償で働く探偵の強い正義感にしびれる
3. チャールズ・ボーグマン 「ミスター・バンジョー」 故郷の空気が甦らせる思い出に涙
4. ローレンス・ブロック 「中古のジーンズ」 絶妙にゾッとする「奇妙な味」の極み
5. ローレンス・ブロック 「紳士協定」 妻の不義を知った夫が放つ鮮やかな奇策に酔う
6. R・L・スティーヴンズ 「知恵の値」 大御所ホックによるどんでん返しの妙を楽しむ
7. ビル・プロンジーニ 「いつもの苦役」 美味しいのにガラガラの店には気を付けよう
8. ローレンス・ブロック 「動物収容所にて」 想像通りなのに鳥肌が立つのは作者の力量
ボーグマン以外は、短編の巨匠 3 名による作品が連なる形となりました。短編とは何ぞや?を知り尽くした名人ゆえの冴えわたる面白さに身を任せるのって、贅沢な時間の過ごし方ですね。
(とことん今さらではありますが)2021 年もまたたくさんの作品と出会えますように。