Orchids and Overalls (1932)
(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介)
Story
主人公トミーは、電気修理の依頼を受けて訪問した豪邸の娘デイルから恋心を抱かれる。何度もわざとヒューズを壊しては連絡してくるデイルに辟易したトミーは、もともと金持ちの人間を毛嫌いしていたため、デイルに庶民の暮らしぶりを見せてショックを与えようとするが…
Aira's View
ぜひ読んでみたい一編。単純なストーリーをウールリッチ流の皮肉とユーモアで味付けしたのだろうと想像がつく。デイルがはすっぱな女性に描かれているところはいかにもウールリッチらしくて、むしろホッとしてしまう。
杉江松恋編『ミステリマガジン 700【海外篇】』
(読了日:2017年3月21日)
A・H・Z・カー「決定的なひとひねり」
冒頭で「妻はかつて三人の人間を殺した」と明かされてからのサスペンス。美術館主事を名乗る男が以前雑誌で紹介された骨董の家具を見せてほしいと主人公宅を訪ねてくる。金額に折り合いがつけば美術館に展示したいと言うが… 妻の無双ぶりが痛快な一編。
続きを読む