アイザック・アシモフ他編『ミニ・ミステリ100』
(読了日:2017年4月5日)
特に印象に残った作品についてのみ、感想を書いています。
5. ヘンリイ・スレッサー「花を愛でる警官」
花を愛でる心を持ったフラマー警部は、非常に美しい庭を持つ家に魅せられ、手入れをするマクベイ夫人と親しく言葉を交わす関係に。そんな矢先、彼女は自宅で何者かによって射殺されてしまう。フラマーマクベイ氏を疑うが証拠のないまま時が過ぎ… マクベイ夫人をいつまでも大切に想う気持ちと花を愛でる優しい心がフラマー警部を真犯人へと導くくだりは、読んでいて心が温かくなるのを感じた。ここまで繊細で穏やかなミステリはなかなかないと思われ、強く印象に残った。ヒッチコックがこの作者の個人短編集を編んだと知って興味津々。
続きを読む本読みが楽しくて仕方ない
2015年秋に江戸川乱歩編『世界短編傑作集』を読み始めてからというもの、よほど忙しい時以外は大体毎日アンソロジーか短編集を読んでいる。
昨年はウィリアム・アイリッシュ (コーネル・ウールリッチ) の短編集を読破して、ウールリッチ評伝にも夢中になった。
今年に入ってからは、いつになくハイペース (超遅読のわたしにしては驚異的な速度) で読んでいて、3月末までに1冊のウールリッチ長編と7冊のアンソロジーを読了した。これは本当にスゴイことで我ながらびっくりしている。
特に面白かったのは『クイーンの定員 l 』で、エラリイ・クイーンのアンソロジストとしての才能にはただただ脱帽するしかなかった。この1冊で味わった興奮のせいで (おかげで?) おしりに火がついてしまったように思う。アンソロジー読みを止められなくなってしまった。
まだまだ読書歴は浅く、最近話題になったクリスティ『そして誰もいなくなった』などの超有名な作品が未読だったりするが、Twitter で交流中のみなさんはそんなわたしとも仲よくしてくださる優しい方ばかりで、作家のウラ話やオススメ本などをわかりやすく教えて下さったりするので、ますます本読みが楽しくなるばかり。(みなさん、ありがとうございます)
すっかりライフワークとなった読書ノート (200ページ/冊) は2冊目も残り少なとなった。これからも毎日読書と記録に勤しんで人生を充実させていきたい。
クイーンの定員―傑作短編で読むミステリー史 (1) (光文社文庫)
- 作者: エラリー・クイーン,各務三郎,小鷹信光
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1992/03
- メディア: 文庫
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