マンハッタン・ラブソング (1932)
Story
ジャズ・エイジと大不況に挟まれた1920年代のマンハッタンを舞台に、主人公ウェイドとバーニスの劇的な出会い、激しい恋、愛と憎しみの入り混じった複雑な感情、そして狂い始める二人の運命が描かれる長編。
Aira's Reading Log
ウールリッチ「マンハッタン・ラブソング」第一章読了。なかなか作品世界に入り込めずにいる。ウェイドがバーニスに激しい恋をしていること以外ほとんど何も見えてこない。特にバーニスの属性に関して。ウールリッチの書く若い女性は大体ビッチな香りがするけど今回もやはりそう。何だか落ち着かない。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年8月27日
コーネル・ウールリッチ「マンハッタン・ラブソング」第三章にて離脱。大好きな作家なのに読み進めるのが苦で仕方ないので諦めた。ノワールなウールリッチの原点にあたる本作を読破できないのは残念だけど。本作の書き出しに心がトゥクンとする、そんな日がいつか来たらまた改めて読むことにする。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年8月30日
あまりに読みにくくて第2章の途中でやめてしまったコーネル・ウールリッチ「マンハッタン・ラブソング」に再挑戦する。彼流サスペンスの萌芽はやはり体感しておかないとこの後に続く名短編ラッシュの旨みを掴み損ねる気がする。ロマンスとサスペンスのバランスがどんなものだったのかに注目したい。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年11月21日
ウールリッチ「マンハッタン・ラブソング」今回は世界に入れたからちゃんと最後まで読めそうだけど、街の景色や部屋の様子などの描写が主張しすぎて煙たいところと、もう少し何とかならなかったのかと疑問を感じるほどカタカナ訳語が多いところが気になってしまい、正直言って読みづらい。好みの問題。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年11月22日
コーネル・ウールリッチ「マンハッタン・ラブソング」第3章の途中、主人公ウェイドの迷走→暴走する辺りから急激に面白くなってきた。愛しいバーニスのためだとしても決して正しいとは言えない手段である物を手に入れる。その辺りからなぜかウェイドの気持ちがリアルに感じられるようになった。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年11月26日
ウールリッチ「マンハッタン・ラブソング」第4章に突入。バーニスがほぼ一方的に素性や過去の恋について語る場面が続く。ふしだらでありながら哲学的でもあり。読むのに時間がかかりそう。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年11月27日
『マンハッタン・ラブソング』自分から気持ちが離れ切ったウェイドに固執して相手に重い足枷をはめることで自分もますます身動きが取れなくなっていくマキシンの姿がヒリヒリと痛々しい。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2016年12月14日
コーネル・ウールリッチ『マンハッタン・ラブソング』読了。二度の挫折を経ての読了のため、内容に対する満足感よりも達成感が大きいと言った方が正直な感想。やっとこの山を越えられた。既読ウールリッチ (アイリッシュ) の中では主人公の内面を最も酷くも鮮やかに抉り出したノワールだと感じた。
— aira's bookshelf (@airasbookshelf) 2017年1月2日
Aira's View
一言で感想を述べよと求められたら迷わず「つらかった」と答える作品。読む→挫折→積ん読→もう一度初めから読む… を繰り返した結果、読了に4か月もかかった。ウールリッチに関することなら何でも楽しいウールリッチ研究生 (自称) なのに、これはとにかくしんどかった。でも、ノワールの香り漂うスリラー要素が強くなる第5章あたりからは一気に読めた。後年ウールリッチが才能を開花させるためにはどうしても避けて通れなかった階段であり、ウールリッチをより深く理解したいと願う研究生 (自称) にとってもまた必ず通らねばならない道なのだと思えばこそ、冗長な描写や無茶な筋書も何とか乗り越えられた。ここまでつらい作品はこれで最後にしたいというのが率直な感想。
Work
原題:Manhattan Love Song
訳者:門野 集
出版:新樹社『マンハッタン・ラブソング』
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