(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介)
Story
主人公パティはひょんなことから出席することになったピアス家の社交舞踏会で令息ラリーに見初められる。二人はお互いに夢中になり、ついにはピアス家の方から結婚話が持ち上がったため、パティは以前から真剣交際していた恋人に別れを告げるが…
Aira's View
家柄の違いが若い二人の障壁となる設定はいつの時代においても鉄板 (悪く言えばありきたり) だが、ウールリッチは三者三様に切ない結末を用意して、後々の自分を支える特徴そして強力な武器となる「哀愁」をしっかり漂わせている。ウールリッチ特有の湿っぽさが感じられ、ついつい胸が高鳴る。