Aira's bookshelf

書棚の片隅でコーネル・ウールリッチ愛をささやく

オットー・ペンズラー編『愛の殺人』

(読了日:2017年3月25日)

ウィリアム・J・コーニッツ「死にいたる時間」

経済界の大物フランクの妻アデルが夫と愛人関係にあったメアリー・アンを射殺した後でこめかみを撃ち抜いて自殺した事件をパーカー刑事が探る。作者がニューヨーク市警の警官だったこともあり真実味が。アイリッシュに似て洗練された都会派の短編。

続きを読む

杉江松恋編『ミステリマガジン 700【海外篇】』

(読了日:2017年3月21日)

A・H・Z・カー「決定的なひとひねり」

冒頭で「妻はかつて三人の人間を殺した」と明かされてからのサスペンス。美術館主事を名乗る男が以前雑誌で紹介された骨董の家具を見せてほしいと主人公宅を訪ねてくる。金額に折り合いがつけば美術館に展示したいと言うが… 妻の無双ぶりが痛快な一編。

続きを読む