各務三郎編『クイーンの定員 II 傑作短編で読むミステリー史』
(読了日:2017年4月11日)
クリフォード・アッシュダウン「外務省公文書」
カジノで負けが込んだレドマイルに軍資金を貸して親しくなった怪盗プリングルは自宅に招待され。酔いに任せて相手が見せてきた重要外交文書をヒントに一儲けする方法を思い付く。駆け引きとユーモアのバランスがよくて小気味よい。科学のおまけも。そこそこの長さがある短編の方がやはり肌に合う。楽しい。
続きを読むアイザック・アシモフ他編『ミニ・ミステリ100』
(読了日:2017年4月5日)
特に印象に残った作品についてのみ、感想を書いています。
5. ヘンリイ・スレッサー「花を愛でる警官」
花を愛でる心を持ったフラマー警部は、非常に美しい庭を持つ家に魅せられ、手入れをするマクベイ夫人と親しく言葉を交わす関係に。そんな矢先、彼女は自宅で何者かによって射殺されてしまう。フラマーマクベイ氏を疑うが証拠のないまま時が過ぎ… マクベイ夫人をいつまでも大切に想う気持ちと花を愛でる優しい心がフラマー警部を真犯人へと導くくだりは、読んでいて心が温かくなるのを感じた。ここまで繊細で穏やかなミステリはなかなかないと思われ、強く印象に残った。ヒッチコックがこの作者の個人短編集を編んだと知って興味津々。
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