Aira's bookshelf

書棚の片隅でコーネル・ウールリッチ愛をささやく

ソーダ・ファウンテン (1930)

Story

ソーダ・ファウンテン (アイスクリーム店) で働くジョニーは、彼目当ての女子高生が店に殺到するほどのモテ男。この世に落とせない女性などいないと思って生きている。ある日初めて店にやってきた謎の美女にジョニーは興味津々。自慢の笑顔で接客するが彼女は全く興味を示さない。何とかして彼女の気を惹こうとするジョニーだが、そこへ一人のパッとしない男が現れて…

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Gay Music (1930)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介)

Story

主人公ジェリーは大学のダンス・パーティーでシャーリーと出会い、その日のうちに衝動的に結婚。二人で向かった新天地でオーケストラの指揮者として活躍するジェリーだったが、裕福な中年女性ゾーイに誘惑されてシャーリーを傷つけてしまい…

Aira's View

後年に発表された短編「パパ・ベンジャミン」に似た不気味な雰囲気が漂う。評伝の著者フランシス・M・ネヴィンズJr.によれば、ジャズ・エイジを舞台とした物語の中では最良の作品とのことだが、はてさて。

We're Just a Lot of Smart Alecks! (1929)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介)

Column

私たちは本当に伝統から解放されているだろうか。明らかに答は否だ。(中略) 実は最もヴィクトリア朝的なヴィクトリア時代人よりはるかに従順な因習の奴隷にすぎないのだ。

ー『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房)

Summary

若い世代の不順応主義は、実のところ新たな形をとった追従にすぎない。