Aira's bookshelf

書棚の片隅でコーネル・ウールリッチ愛をささやく

ローレンス・トリート編『スペシャリストと犯罪 アメリカ探偵作家クラブ傑作選 (8)』

(読了日:2019年7月25日)

まえがき

ミステリの世界で警察小説なるジャンルを切り開いた作家ローレンス・トリート。彼の持つ柔和さ・謙虚さ・勤勉さといった、人としての魅力が自然と伝わってくる、優しい言葉遣いに満ちた文章。アメリカ探偵作家クラブ傑作選で随一のまえがき。

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ブライアン・ガーフィールド編『犯罪こそわが人生 アメリカ探偵作家クラブ傑作選 (9)』

(読了日:2019年7月17日)

ヘレン・マクロイ「燕京奇譚」

年老いたロシア公使ヴォルゴルーギイの若くて美しい妻オルガ・キリーロヴナが一人で馬車に乗って出かけたきり行方不明となった悲しい理由が、彼女を慕っていた陸軍武官アレクセイの活躍のよって明らかにされていく。しっかりした時代考証の上に成り立つ重厚な物語。

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