Aira's bookshelf

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書棚の片隅でコーネル・ウールリッチ愛をささやく

各務三郎編『クイーンの定員 III 傑作短編で読むミステリー史』

(読了日:2017年6月24日) デイモン・ラニアン「ドロレスと三人の野郎ども」 セントルイスで抗争を続けて互いに大きなダメージを受けてきた三人の大物ギャングが和平会議を開くことに。その道すがら、近年頭角を現しつつある若手ギャングのファロネを殺害。会…

エラリイ・クイーン編『クイーンズ・コレクション 1』

(読了日:2017年6月4日) レックス・スタウト「殺人鬼はどの子?」 探偵ネロ・ウルフ宅を約束もなく訪れた法律事務所の所長秘書バーサ・アーロンを助手のアーチーが迎えて事情を聞く。事務所の共同経営者の中に敵方の依頼人と通じている者がいるので調べてほ…

エラリー・クイーン編『完全犯罪大百科 (上) 悪党見本市』

(読了日:2017年5月5日) ハワード・スプリング「郵便殺人」 新聞社でメッセンジャー・ボーイとして働いていた頃から同僚のシャスターに何かにつけて先を越されてきた新聞記者のミルナー。日々鬱屈をもたらす存在であるシャスターに対して殺意を覚えるように…

マーティン・H・グリーンバーグ編『新エドガー賞全集 アメリカ探偵作家クラブ傑作選 (14) 』

(読了日:2017年4月25日) ジャック・リッチー「エミリーがいない」 妻エミリーからの電話に顔色を失い、エミリーを街で見かけたという知人には「サンフランシスコへ行っている」と答えて手を震わせ、エミリーからの手紙を隠し、音楽室から聴こえるエミリーの…

ビル・プロンジーニ編『エドガー賞全集 (下) アメリカ探偵作家クラブ傑作選 (6) 』

(読了日:2017年4月21日) ローレンス・トリート「殺人のH」 車での長距離移動に同乗者を求める新聞広告がきっかけで意気投合したタンシイとギルフォードの女性二人組。誰かと電話で話した後、タンシイは一人でモーテルから姿を消す。ギルフォードから相談を…

コブラの接吻 (1935)

Story 主人公チャーリーは殺人課所属の刑事。体調不良のため上司から長期休暇を取るように言われ、妻と義弟と一緒に山荘で時を過ごしている。そこへ妻の父親が再婚相手のベーダを連れてきた。彼女はアジアの血が入っており、どことなく蛇を連想させる不気味…

スクリーンの中の女 (1934)

Story 脅迫状を頻繁に受け取るようになった女優マーサ・メドウズの身辺警護を命じられたガルブレイズ刑事は早速撮影所へと足を運ぶ。撮影中も彼女から目を離さなくて済むようにメドウズ主演作の監督に協力を依頼するが、ガルブレイズの隙をついて監督がスタ…

死の治療椅子 (1934)

Story 歯痛に悩むロッジは腕のよい歯科医である友人スティーヴの元を訪れるが、先に来院していた貧しい身なりの患者が治療中におかしな唸り声を上げたあと急死してしまう。調べによると死因は致死量ちょうどの青酸カリ。スティーヴが容疑者として警察に連行…

【読書ログ:番外編】忘れがたい短編いろいろ

(最終更新日:2017年4月18日) 2015年秋から、たくさんの海外ミステリ短編を読んできました。その数およそ500以上 (ショートショートも含む) 。こうして多くの作品に触れるうち、気になる作家や作風が徐々にわかり始めてくるのもまた面白い手応えのひとつです…

ビル・プロンジーニ編『エドガー賞全集 (上) アメリカ探偵作家クラブ傑作選 (6) 』

(読了日:2017年4月14日) エラリイ・クイーン「気ちがいティー・パーティ」 ウイリアム・アイリッシュ「晩餐後の筋書」 ローレンス・G・ブロックマン「なまず物語」 魚類学者ジョナサン・スミス宅の階段に男の死体が転がっていた。ジョナサンは夢遊病者ゆえ…

各務三郎編『クイーンの定員 II 傑作短編で読むミステリー史』

(読了日:2017年4月11日) クリフォード・アッシュダウン「外務省公文書」 カジノで負けが込んだレドマイルに軍資金を貸して親しくなった怪盗プリングルは自宅に招待され。酔いに任せて相手が見せてきた重要外交文書をヒントに一儲けする方法を思い付く。駆け…

アイザック・アシモフ他編『ミニ・ミステリ100』

(読了日:2017年4月5日) 特に印象に残った作品についてのみ、感想を書いています。 5. ヘンリイ・スレッサー「花を愛でる警官」 花を愛でる心を持ったフラマー警部は、非常に美しい庭を持つ家に魅せられ、手入れをするマクベイ夫人と親しく言葉を交わす関係…

ハロルド・Q・マスア編『眠れぬ夜の愉しみ アメリカ探偵作家クラブ傑作選 (3) 』

(読了日:2017年3月31日) ロバート・ブロック「ジョンとメアリー」 見苦しいほどの肥満妻メアリーに嫌悪感を抱くジョン。妻の親友フランシスと愛人関係になってからは殺意を覚えるほどに。念入りに用意したヒ素入りチョコレートで殺害を試みるが… 途中で結末…

本読みが楽しくて仕方ない

2015年秋に江戸川乱歩編『世界短編傑作集』を読み始めてからというもの、よほど忙しい時以外は大体毎日アンソロジーか短編集を読んでいる。 昨年はウィリアム・アイリッシュ (コーネル・ウールリッチ) の短編集を読破して、ウールリッチ評伝にも夢中になった…

Women Are Funny (1932)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介) Story 主人公トミーは17歳にしてはひどく子どもっぽいナネットと結婚する。彼女が寝室へ持ち込んだブードゥー教の人形グアデロウペが黒魔術を使って結婚生活を妨害しよう…

マンハッタン・ラブソング (1932)

Story ジャズ・エイジと大不況に挟まれた1920年代のマンハッタンを舞台に、主人公ウェイドとバーニスの劇的な出会い、激しい恋、愛と憎しみの入り混じった複雑な感情、そして狂い始める二人の運命が描かれる長編。 Aira's Reading Log ウールリッチ「マンハ…

Orchids and Overalls (1932)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介) Story 主人公トミーは、電気修理の依頼を受けて訪問した豪邸の娘デイルから恋心を抱かれる。何度もわざとヒューズを壊しては連絡してくるデイルに辟易したトミーは、もと…

オットー・ペンズラー編『愛の殺人』

(読了日:2017年3月25日) ウィリアム・J・コーニッツ「死にいたる時間」 経済界の大物フランクの妻アデルが夫と愛人関係にあったメアリー・アンを射殺した後でこめかみを撃ち抜いて自殺した事件をパーカー刑事が探る。作者がニューヨーク市警の警官だったこ…

杉江松恋編『ミステリマガジン 700【海外篇】』

(読了日:2017年3月21日) A・H・Z・カー「決定的なひとひねり」 冒頭で「妻はかつて三人の人間を殺した」と明かされてからのサスペンス。美術館主事を名乗る男が以前雑誌で紹介された骨董の家具を見せてほしいと主人公宅を訪ねてくる。金額に折り合いがつけ…

各務三郎編『クイーンの定員 I 傑作短編で読むミステリー史』

(読了日:2017年3月16日) ヴォルテール「王妃の犬と国王の馬」 エドガー・A・ポー「盗まれた手紙」 さる貴人にとって世間に知られてはまずい内容の手紙をD大臣が堂々と本人の目の前で盗んだ事件。G警視総監が万策尽きてデュパンに手紙の捜索を依頼。ポーが基…

The Girl in the Moon (1931)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介) Story 主人公マーティはミュージカル・コメディ女優ゼルダに恋をする。彼の一途な気持ちに心を打たれたゼルダは女優を引退して結婚し、演技を求められずに済む平凡な暮ら…

中村融編『街角の書店 18の奇妙な物語』

(読了日:2017年3月9日) ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 夫の肥満ぶりを競うという異様な趣旨のコンテストで優勝を狙うグラディスは運動好きで身体の引き締まった夫を太らせるべく奮闘する。驚きの速さで巨大化に成功した夫はライバルたち…

レイモンド・T・ボンド編『暗号ミステリ傑作選』

(読了日:2017年3月5日) R・オースチン・フリーマン「文字合わせ錠」 みんな大好きソーンダイク博士による懇切丁寧な暗号解読講義だよ!科学者ならではの緻密な謎解きを惜しげもなく披露するよ!才能を全く鼻にかけない上に相手がどんなに鈍くても決して見下…

エラリー・クイーン編『ミニ・ミステリ傑作選』

(読了日:2017年2月25日) ニュートン・ニューカーク「探偵業の起源」 サミュエル・ホプキンズ・アダムズ「百万に一つの偶然」 スティーヴ・アレン「ハリウッド式殺人法」 シャーロット・アームストロング「タイミングの問題」 フィリス・ベントレー「逆の事…

エレノア・サリヴァン編『世界ベスト・ミステリー50選 (下)』

(読了日:2016年12月19日) ジョージ・ハモンド・コークス「キチンときれいに」 エレベーター係のメリーと現金給与運搬中の恋人が箱内で強盗に襲われた。刑事によると彼がこうした目に遭うのは二度目だといい、メリーが動揺している間に彼は連行されてしまう…

エレノア・サリヴァン編『世界ベスト・ミステリー50選 (上)』

(読了日:2016年9月14日) ジョン・ディクスン・カー「赤いかつらの手がかり」 C・デイリー・キング「消えた美人スター」 最初から胡散臭さぷんぷん。案の定とんだ茶番劇だった。見張り多数の中、誰にも見られずに外へ出られるはずはないのに人が失踪って、い…

G・K・チェスタトン編『探偵小説の世紀 (下)』

(読了日:2016年8月25日) ヘンリー・ウェイド「三つの鍵」 アントニイ・マースデン「遺伝」 H・C・ベイリー「青年医師」 F・A・クマー「豚の足」 途中から主人公の狙いがわかってしまったけれど、彼のスマートさが好みのタイプだったので楽しめた。しかし、…

シャーリイ・ジャクスン「お告げ」を読んで

昨日『街角の書店 18の奇妙な物語』(創元推理文庫, 中村融編) に収録されているシャーリイ・ジャクスン「お告げ」を読んだ。「くじ」など不気味な雰囲気の作品であまりにも有名なジャクスンが、まさかこんなにほのぼのとした小品を書いていたとは!今年一番…

The Time of Her Life (1931)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介) Story 友人と一緒に出かけたパーティーで、うんと歳の離れた裕福な作曲家ウィルビーから気に入られたポーリーンは、花束・本・衣服・手紙といった熱烈な愛情表現を受ける…

A Young Man's Heart (1930)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介) Story 主人公ブレアは、父の浮気が原因で母親と離ればなれの生活に。父はパーティー三昧の堕落した生活を送り、次から次に新しい恋人を作っては別れる始末。ブレアは家の…