Aira's bookshelf

書棚の片隅でコーネル・ウールリッチ愛をささやく

Orchids and Overalls (1932)

(未邦訳作品につき『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房) を参考に内容を紹介)

Story

主人公トミーは、電気修理の依頼を受けて訪問した豪邸の娘デイルから恋心を抱かれる。何度もわざとヒューズを壊しては連絡してくるデイルに辟易したトミーは、もともと金持ちの人間を毛嫌いしていたため、デイルに庶民の暮らしぶりを見せてショックを与えようとするが…

Aira's View

ぜひ読んでみたい一編。単純なストーリーをウールリッチ流の皮肉とユーモアで味付けしたのだろうと想像がつく。デイルがはすっぱな女性に描かれているところはいかにもウールリッチらしくて、むしろホッとしてしまう。

オットー・ペンズラー編『愛の殺人』

(読了日:2017年3月25日)

ウィリアム・J・コーニッツ「死にいたる時間」

経済界の大物フランクの妻アデルが夫と愛人関係にあったメアリー・アンを射殺した後でこめかみを撃ち抜いて自殺した事件をパーカー刑事が探る。作者がニューヨーク市警の警官だったこともあり真実味が。アイリッシュに似て洗練された都会派の短編。

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